灰漉し

釉薬の材料の一つ、木灰 (木を燃やした灰) は、そのままでは使えません

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水を加えてかき回し、粒子の大きい灰や砂などの不純物が下に沈むのを待って、上に浮いている細かい灰のみを取ります

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まずは、下に沈まない軽い炭などを取り除きます

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上済みだけを篩に通します。目を細かくして2回、通します

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一口に灰といっても、それぞれ様子が違います

698-2 楢・椚灰

698-1 樫灰(アルカリ塩類の結晶が浮いている)

698-3  松灰(鉄分が多い赤い水)

通した灰が完全に下に沈むのを待って、上澄みを棄て、また水を入れてかき回し、沈むのを待って、また上澄みを棄て~を数回繰り返し、アクをとっていきます。アクの取り具合でも風合いが変わってきます

アクの強さは木の種類によって違います。今までで一番強かったのは、樫の木の灰。素手でやっていたら、火傷のようになってしまいました

水樋した灰の量は、水樋する前の量から5分の1程になります

 

木灰

釉薬にする木灰は、自ら木を燃やして灰にしますが、到底足りません。で、長野県に貰いに~届けて頂くこともあり、ありがとうございます!楢・クヌギ・アカシア・リンゴ・梨など

うう~興奮する!灰は宝!

693-1693-3782-1659-11002-11002-21002-3481-1 梨の木を燃やしたこともありましたが、沢山燃やしても、取れる灰は少し。。皆様の協力無くして、当方の器は出来ません。ほんに、ありがたいです!

りんご、梨の灰を合わせた釉薬のテストを数年前より繰り返し、りんごは、しっとりとした上品な感じに仕上がってきましたよ~梨は青磁寄りにすると美しいかも~もうちょっとです!

灰はそのままでは使えないので、次は灰を水樋していきます

稲わら灰を作る~古畳編

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40年以上前の畳で、物置に7、8年程置いてあったものを貰いました。最近は色々な種類のものがあるようですが、こちらは、「本わら床」という、中身が全部稲わらで、混ざりもの無し。ミッチリ、圧縮されているわらが縦横と詰まっています。保管状態も良く、わらもしっかりとした良い畳です。

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予想外に沢山の灰がとれました。畳一枚に驚くほどの量のわらが入っているようです。

良いわらを選んでいるだろうし、稲わらを育てる人が居て、畳職人さんが居て、畳表のイ草を育てる人が居て、編む人が居て、畳のへりも簡素なものから美しく織ってあるものもあるし、とてもアナログな沢山の人の手と時間が掛かったものなのですよね。
畳うんぬんも深く掘り下げていくと面白そう~一枚の場所でわらの詰め方も違ってたし、日本人の緻密さ、これも日本文化。
面白く燃やせました!そして、これも、リサイクル!

全てに感謝!!

稲わら灰を作る

ようやく、燃やすことが出来ました。天候不順や色々な都合に阻まれ、一年も置くことになってしまいましたが、お陰で良く乾いており、上手に燃えてくれました。

この稲わらの灰が釉薬になります。

11月、稲藁をとっておいてもらい、乾かす場所に運び、今回は畑に干しました
雨が降るようなら、わら山同士を重ね、強風で倒れたら、しばらくそのままにして根本を乾かし、再び立て直し、雪が降ったら、埋もれた足元の雪をかいたり、良く面倒を見ながら乾かしました
毎度、ペチカメンバーの皆様、ありがとうございます!
翌年、2月にハウスの中に取り込み、風を通しながら乾かしました
後に、鳥に破られた天井の穴が大きくなり、、雨の日は藁に直接、ビニールを被せました
12月初旬、今回は軽トラ山積み、二台分を益子に運びます
田んぼで燃やせなくなったので、益子の先輩宅で燃やしました 
火を点けると、特有の黄色い煙が
様子を見ながら、藁をくべていきます
暫くすると、炎が上がってきます
まんべんなく燃えるように、丁寧にかき回しながら燃やします     
なんだか、ワクワク。。秘めたエネルギーを感じます
白く燃えてしまう前に寄せて、水をかけて、これ以上燃えないようにします
黒い灰で残さないと、わら灰釉特有の乳濁した薬になりません
完全に冷めるまで、すぐに取り込まずに一晩、置いておきます
袋に詰めて置いておいたら、火事になったという話も聞くので用心の為

1反部分の藁も灰にすると、ほんのわずか。肥料袋で25袋。
今回は、長い期間置くことになってしまったせいもあるが、乾燥時の面倒見が、かなり掛かったので、次回はおだがけにしてみようか?
根本が地面に着いて無い分、良く乾きそうだし、もしか風で飛んでも、直すのも簡単そう。竹を切り出して、おかねばな。。

釉薬として使えるようになるまでには、まだまだ、手間と時間がかかります。
このままの灰では粗くて、焼いた時に滑らかな釉調にならないので、次は、粒子を細かくする為、杵と臼で搗いていきます。

稲わら灰を作る ~田んぼで燃す編~

灰作りは、当方のやきものの要です。この灰で釉薬を作ります。

乾かす為に、ひたすら、縛る、立てるを繰り返す
2反(たん)2畝(せ)ぶんの藁
一人仕事だったので、ちと時間が掛かったが、ようやく終焉を迎えた!
手前が立て始め。下手くそでよたっとる。。背中はバリバリ・・・腰がはずれそう・・・
暫く干したら、風のない日を選んで燃やします。午後は風が出やすいので、早朝から始めます。
燃やすところの地面に落ちているわらを掻き集め、遠くに寄せておきます。
(乾いたわらが散らばる田んぼでは、燃え移ると恐ろしく早く火が走ります)
火種をつくり、その上にうまく燃えていくように積み重ねてゆきます。
白くなるなで燃やさないように気を付けて燃やします。
かなり、熱い。真っ赤に燃えるわら。油断すると。。まつげがチリチリに~
煙もくもく~不思議と。。「煙い、煙い!」と逃げる人のところに煙は行くのである。。
いい按配に燃えたものからレーキ(木の柄が燃えちゃった。。鉄のものがいいか?)やスコップで横に寄せていきます。寄せたものはそれ以上、燃えるのを防ぐ為、ジョウロやひしゃくで水をかけます。
(水をかけても完全には消しきれないので、早めに寄せます)
冷めるまで、そのまま置いておきます。完全に冷めるまでに雨が降りそうであればシートをかけておきます。(1,2日後なら大丈夫です。)
真っ黒いわら灰の山。約2反分のわら灰。軽トラ山積み6台分ぐらいか。
よーけ、燃やした。。疲れたけど、嬉しいです!
冷めたら、袋に詰めて保管。今回は肥料袋72袋。わらを干す所から詰め終わるまで20日間ぐらいか。あ~良かった。このわら灰があれば安心、安心。

稲わらの灰は出来ました!

このままでは、粒子が粗いので、次は杵と臼ですり潰した後、水樋します。